
こんにちは!多摩・八王子経理代行サービスです。
近年、物価高騰や人件費の増加、取引先の倒産など、経営環境がますます不安定になっています。「うちは黒字決算だから大丈夫」と安心していても、実はキャッシュフローに問題を抱えていたり、負債が増えていたりするケースも少なくありません。
中小企業にとって「健全経営」は、単なる黒字経営以上に重要なキーワードです。健全経営とは、資金繰りや借入状況、資産構成などがバランスよく保たれており、急な経営リスクにも耐えられる状態を指します。
本記事では、中小企業が自社の財務状況を客観的に判断できる「3つの財務指標」を紹介します。専門的な会計知識がなくても、財務諸表の基本を押さえれば、セルフチェックは十分可能です。
この記事を読むことで、財務の健全性を数字で可視化でき、自社の強みと課題が明確になります。また、今後の経営改善のためにどのような対策が有効なのかも分かる内容となっています。
「財務状況を見直したい」「借入が多く不安」「資金繰りがうまくいかない」といった悩みを抱える中小企業の経営者や経理担当者は、ぜひ最後までお読みください。
財務状況を把握する意味|なぜセルフチェックが必要か
財務状況のチェックは、単なる数値の確認ではなく、企業の「体質診断」です。以下のような理由から定期的なセルフチェックが必要です。
経営判断の精度を高めるため
経営者は日々、多くの判断を下しています。その根拠となるのが「会社の数字」です。財務状況を把握していないと、利益が出ているように見えても、資金が回らなくなるリスクがあります。
金融機関との信頼構築のため
融資や取引の際、金融機関は財務の健全性を重視します。自社で定期的に財務状況を見直しておくことで、金融機関との信頼関係を築くことができます。
早期の経営改善につなげるため
問題が顕在化してからでは手遅れになることもあります。財務指標を使って早期に課題を見つけることで、迅速な対策が可能になります。
中小企業の健全経営をチェックする3つの財務指標とは
中小企業がセルフチェックする際に活用できる代表的な指標は、以下の3つです。
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-自己資本比率
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-流動比率
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-営業キャッシュフロー
それぞれの指標について、意味と確認方法、目安、改善策を詳しく解説します。
自己資本比率|企業の安定性を示す基本指標
自己資本比率は、企業の財務的な安定性を示す最も基本的な指標です。以下の数式で求められます。
自己資本比率 = 自己資本 ÷ 総資本 × 100(%)
自己資本比率の目安と見方
一般的に、自己資本比率が40%以上であれば、健全経営とされます。中小企業の場合は、30%前後が平均値とされることも多く、20%を下回ると財務基盤が脆弱と判断される可能性があります。
自己資本比率が低いとどうなる?
・借入に依存しすぎる経営となる
・金融機関からの信用が低下し、追加融資が難しくなる
・自己資本が薄いと、倒産リスクが高くなる
改善策:利益の内部留保と借入金の見直し
利益の一部を社内に留保する「内部留保」を増やすことで、自己資本が強化されます。また、借入金の返済計画を見直し、無理な借り入れを控えることも重要です。
流動比率|資金繰りの安定性をチェック
流動比率は、短期的な支払い能力(資金繰り)を示す指標です。
流動比率=流動資産 ÷ 流動負債 × 100(%)
流動比率の目安
一般的に、流動比率は200%以上が理想とされますが、中小企業では100%以上が最低ラインと考えられます。100%を下回る場合、短期的な支払い能力に不安がある状態とされます。
流動比率が低いとどうなる?
・売掛金の回収が遅れると、支払いが滞る可能性がある
・急な支払いに対応できず、資金ショートを起こすリスクがある
・仕入れや設備投資に制限がかかる
改善策:資産の流動化と負債の圧縮
売掛金や在庫の回転率を上げて現金化を促進すること、短期借入金の返済ペースを調整することで流動比率は改善されます。余剰資産の売却も一つの手です。
営業キャッシュフロー|現金の稼ぐ力をチェック
営業キャッシュフローは、本業によって企業がどれだけ現金を生み出しているかを示す指標です。キャッシュフロー計算書から「営業活動によるキャッシュフロー」の欄を確認します。
営業キャッシュフローが重要な理由
・黒字でもキャッシュが減っていれば、倒産のリスクがある
・営業キャッシュフローが継続してマイナスであれば、本業が赤字と同じ
・将来的な投資や借入返済に支障が出る
プラスとマイナスの見方
営業キャッシュフローが「プラス」であれば健全、「マイナス」が続く場合は注意が必要です。特に2期連続でマイナスの場合は、早急な改善が求められます。
改善策:利益構造と売上債権の見直し
キャッシュフロー改善には、原価の見直しによる利益率向上、売掛金の早期回収、無駄な支出の削減などが有効です。また、利益をいくら上げても回収が遅ければキャッシュ不足に陥るため、売上債権の管理が非常に重要です。
まとめ
中小企業の財務状況を健全に保つには、定期的なセルフチェックが不可欠です。この記事で紹介した以下の3つの財務指標を使えば、財務の健全性を可視化できます。
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-自己資本比率(安定性)
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-流動比率(資金繰り)
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-営業キャッシュフロー(現金創出力)
いずれも専門知識がなくても、決算書から簡単にチェックできる項目です。
また、チェック結果に問題が見つかった場合でも、改善策を講じることでリスクを減らすことができます。まずは「数字を知る」ことが、健全経営への第一歩です。
多摩・八王子経理代行サービスでは、財務分析の代行やキャッシュフロー改善のサポートも行っています。無料相談も実施しておりますので、「数字の見方がよくわからない」「プロに見てもらいたい」とお感じの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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