棚卸資産の会計処理とは?基本の仕訳から実務で使えるポイントまで解説

こんにちは!多摩・八王子経理代行サービスです。

事業を行っていると、商品や原材料などの在庫管理に頭を悩ませる場面が少なくありません。特に決算期が近づくと「棚卸資産の会計処理ってどうするんだっけ?」「仕訳のやり方が毎回不安になる」といった経理担当者の声をよく耳にします。

この記事では、棚卸資産の会計処理に関する基礎知識から、実務で役立つ仕訳のポイント、よくある間違いや注意点までを丁寧に解説します。読了後には、仕訳処理への理解が深まり、決算対応の精度もぐっと向上するはずです。

この記事は、以下のような方に特におすすめです。

  • -経理初心者で棚卸資産の仕訳が不安な方

  • -自社の在庫管理を見直したい経営者

  • -棚卸資産の評価や帳簿とのズレが気になる中小企業の経理担当者

ぜひ最後までご覧いただき、貴社の経理実務にお役立てください。


棚卸資産とは?基本的な定義と分類

棚卸資産の定義と位置づけ

棚卸資産とは、企業が販売目的で保有している商品・製品・原材料などのことを指します。貸借対照表上では「流動資産」に分類され、売上原価や利益に直結する重要な会計要素です。

企業活動における棚卸資産は、以下のように分類されます。

  • 商品:仕入れてそのまま販売する物品(例:小売店の取扱商品)

  • 製品:自社で製造・加工をして販売する完成品

  • 半製品・仕掛品:製造途中の製品

  • 原材料・貯蔵品:製造のために仕入れた材料や消耗品など

棚卸資産は、企業の財務健全性や在庫効率を示す重要な指標でもあり、適切な管理と会計処理が求められます。


棚卸資産の会計処理|仕訳の基本

棚卸資産の取得時の仕訳

まずは、棚卸資産を仕入れた際の基本的な仕訳です。

(借方)仕入 ××× /(貸方)現金・買掛金 ×××

※「仕入」の代わりに「商品」「原材料」など、勘定科目をより細かく分けることもあります。業種によって使い分けが必要です。

決算時の棚卸資産評価額の仕訳

決算では、実地棚卸を行い、在庫の実数と評価額を計算します。その上で、期末在庫を「棚卸資産」として振り替える処理が必要です。

(借方)棚卸資産 ××× /(貸方)仕入 ×××

この仕訳によって、当期に販売された分のみが「売上原価」として損益計算書に計上されます。

翌期首の仕訳(再振替)

翌期の開始時には、前期末の棚卸資産を元に戻す必要があります。

(借方)仕入 ××× /(貸方)棚卸資産 ×××

これは、仕入の累計金額に期首在庫を加え、再度当期の売上原価を算定するための作業です。


実務で使える!棚卸資産会計処理のポイント

1. 実地棚卸の正確性がすべての出発点

棚卸資産の会計処理で最も重要なのは、「実地棚卸の正確さ」です。数量や評価単価がズレていると、仕訳にも誤りが生じ、結果的に売上原価・利益が大きく変動します。

対策例:

  • -ダブルチェック体制の導入

  • -バーコード管理システムの活用

  • -定期的なローテーション棚卸

2. 棚卸資産の評価方法に要注意

在庫評価には「個別法」「先入先出法」「移動平均法」などがありますが、中小企業では移動平均法が採用されるケースが多いです。

評価方法に応じて、在庫単価が変動し、売上原価や利益にも影響が出るため、継続して一貫した方法を採用することが求められます。

ポイント:

  • -評価方法を変更する場合は、税務署への届出が必要

  • -税務調査で確認されやすい項目なので、記録を明確に残す

3. 帳簿と実在庫の差異は必ず分析する

在庫管理の精度を高めるためには、帳簿在庫と実地棚卸による在庫のズレを分析し、原因を特定することが重要です。

よくある差異の原因:

  • -入出庫の記録漏れ

  • -破損や盗難などの物理的損失

  • -誤配送・返品処理のミス

差異が大きい場合は、棚卸減耗費や商品評価損として処理する必要があり、これらも正確な会計処理が必要となります。


棚卸資産に関連する税務上の注意点

1. 棚卸資産の評価損は損金不算入の場合あり

税務上、棚卸資産の評価損は原則として損金算入されません。ただし、商品が著しく陳腐化した場合など「合理的な理由」がある場合は、損金算入が認められるケースもあります。

具体例:

  • -消費期限切れの食品

  • -流行遅れで販売困難なアパレル商品

  • -技術革新によって旧型となった機械部品

評価損を計上する際は、証拠資料や写真、評価理由などを残しておくと、税務調査時にも安心です。

2. 消費税の取り扱いにも注意

棚卸資産の仕入れにかかった消費税は、原則として「仕入控除税額」として処理されますが、非課税売上との按分計算が必要になるケースもあります。特に、課税・非課税売上を両方行っている企業では注意が必要です。


棚卸資産の会計処理でよくある間違いとその対策

ケース①:仕訳が期末・期首で逆になっている

このミスは初心者に非常に多いです。期末の仕訳では「仕入から棚卸資産へ」、期首の仕訳では「棚卸資産から仕入へ」と、処理方向が真逆になります。

対策:

  • -会計ソフトの自動仕訳機能を活用する

  • -過去の仕訳履歴を参照しながら入力する

  • -決算時のチェックリストを作成

ケース②:期末の在庫金額を税抜価格で計上してしまう

棚卸資産は「税抜」で評価するのが原則ですが、実地棚卸で税込価格を入力してしまい、誤った金額で仕訳してしまうことがあります。

対策:

  • -棚卸表には「税込/税抜」欄を明記

  • -経理部門内でルールを統一

  • -仕入原価の記録を明細単位で保管


まとめ

棚卸資産の会計処理は、正確な在庫管理と利益計算に直結する、非常に重要な業務です。取得時・期末・期首の仕訳を正確に行い、実地棚卸や在庫評価を丁寧に進めることが求められます。

また、税務上の注意点や評価損の扱いについても理解を深め、不要な指摘や修正申告を防ぎましょう。

多摩・八王子経理代行サービスでは、中小企業向けに棚卸資産管理や会計処理の支援を行っており、実務に即したサポートが可能です。棚卸資産の処理に不安を感じている方は、ぜひお気軽に多摩・八王子経理代行サービスにご相談ください。

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