PCは「支給」か「貸与」か?テレワーク機器の税務リスクと管理台帳の重要性を解説

こんにちは!多摩・八王子経理代行サービスです。

コロナ禍以降、多くの中小企業でテレワークが定着しました。その中で経営者や経理担当者からよく聞かれるのが「社員に渡すPCは支給扱いにしてよいのか?それとも貸与にすべきか?」という質問です。
実は、この判断を誤ると思わぬ税務リスクを抱えることになります。

この記事では、

  • ・「支給」と「貸与」の税務上の違い

  • ・それぞれのメリット・デメリット

  • ・トラブルを防ぐための管理台帳の作り方

  • を分かりやすく解説します。

テレワーク環境を整備している中小企業の経営者・経理担当者の方は、ぜひ最後までご覧ください。


テレワーク機器を「支給」するとは?税務上のリスク

支給とは「所有権を従業員に移すこと」

支給」とは、会社が購入したPCなどの機器を従業員に譲り渡す形を指します。
例えば、「テレワーク用にPCを支給します」「この費用で自分の好きなPCを買ってください」というケースです。従業員は機器を自分のものとして使用し、転売や私的利用も可能になります。

支給は現物給与扱いになる可能性

税務上は、会社が従業員に物品を無償で与えると現物給与(経済的利益)とみなされます。
国税庁のガイドラインでも、「貸与」であれば課税不要ですが、「支給」は給与課税が必要とされています。
つまり、PCを支給した場合は給与と同様に所得税・住民税・社会保険料の対象になる
恐れがあります。

支給に伴う実務リスク

支給を選択すると、次のような点に注意が必要です。

  • ・支給額相当分を給与計算に反映し、源泉徴収が必要になる。

  • ・会社としては固定資産として計上できず、経費処理が不明確になる。

  • ・税務調査で「実質的に支給」と判断されれば、過去に遡って追徴課税を受ける可能性がある。

  • ・退職時の機器返却が難しく、情報漏えいや会計上の損失リスクが生じる。

「支給」は簡単に見えて、実は最も税務リスクが高い形態なのです。


テレワーク機器を「貸与」するとは?非課税で安全な運用方法

貸与とは「会社が所有し、使用を認めること」

一方で「貸与」とは、会社が所有するPCを従業員に一時的に使わせる形です。
会社の資産として管理し、退職時や業務終了時には返却を求めます。

この場合、従業員に経済的利益は発生しないため、給与課税の対象にはなりません
税務調査でも「会社の所有」「返却義務あり」「私的利用不可」といった条件を満たせば、非課税で問題ありません。

貸与の実務的メリット

貸与を選ぶことで次のような利点が得られます。

  • ・現物給与にならず、給与計算や源泉徴収の手間が不要。

  • ・機器を会社資産として固定資産台帳に登録し、減価償却費として経費計上できる。

  • ・情報漏えい対策、セキュリティ管理を統一できる。

  • 退職時に機器を回収でき、資産の無駄がない。


支給と貸与の比較表

区分 支給 貸与
所有権 従業員 会社
税務上の扱い 現物給与として課税対象 非課税(会社資産)
会計処理 福利厚生費・雑費など 固定資産として減価償却
返却義務 なし あり
セキュリティ管理 従業員任せ 会社が一元管理
税務リスク 高い 低い

この比較からも分かるように、中小企業にとっては「貸与」形態が圧倒的に安全です。
ただし、「貸与」とするためには管理台帳の整備が欠かせません。


管理台帳がなぜ重要なのか?

税務・会計・セキュリティの三方向で効果

管理台帳を整備することで、次の3つの効果があります。

  1. 税務面:貸与実態の証拠になる。
     →「支給ではなく貸与である」ことを明確にでき、課税を回避できる。

  2. 会計面:固定資産の所在と減価償却を正確に管理できる。

  3. セキュリティ面:紛失・盗難・情報漏えいリスクを低減できる。

税務調査では、口頭説明だけでなく「貸与台帳や返却記録」が求められます。
台帳が整備されていないと「実質的には支給」と判断されるリスクがあるため注意が必要です。


貸与台帳に記載すべき項目と運用のコツ

項目名 内容
機器番号 例:PC-2025-001
機器名・型番 HP ProBook 450 G9など
購入日・取得価額 例:2025年3月10日/税込120,000円
貸与開始日 従業員への貸与日
貸与先・部署 氏名・所属部署
使用目的 「テレワーク業務専用」など
返却予定日・実績返却日 管理の要
管理責任者 承認者名・日付
備考 私的利用禁止・保守期限など

運用ポイント

  • ・Excelやクラウド管理ツールを用い、貸与・返却時に必ず更新する。

  • ・従業員に「貸与契約書」を交付し、返却義務と使用条件を明示する。

  • ・年1回以上、機器の所在確認を実施。紛失・破損時の対応ルールも明文化する。

  • ・退職時には返却書を取り交わし、台帳に返却日を記録する。

これらを徹底することで、「実質貸与」と認定される確率が格段に高まります。


実務でよくあるトラブルと対策

ケース1:返却されないまま退職

→ 貸与契約書に「退職時は必ず返却。未返却の場合は実費請求」と明記。
 返却チェックリストを用意し、総務・経理が確認する体制を整えましょう。

ケース2:社員が私物として使用

→ 貸与規程で「私的利用禁止」を明文化。違反時の対応(返却・弁済等)も明示します。

ケース3:BYOD(個人PC利用)との混在

→ 個人所有のPCを業務に使う場合は、会社が費用を負担すると課税リスクが高まります。
 BYODではなく、会社貸与を原則とするほうが安全です。


実務ステップとチェックリスト

  1. 機器の提供方法を「貸与」で統一し、方針を社内通達に明記。

  2. -貸与規程・契約書・管理台帳を整備。

  3. -貸与開始・返却時には必ず台帳を更新。

  4. -年次点検を実施し、所在・状態を確認。

  5. -税務・会計・セキュリティの三方向から監査体制を構築。

チェック項目

  • 貸与規程が社内に整備されている

  • 貸与台帳に全項目が記載されている

  • 返却義務が文書で明示されている

  • 固定資産台帳と連携している

  • 税務調査に対応できる証拠書類を保管している


まとめ

テレワーク機器を社員に配布する際、「支給」と「貸与」の違いを正しく理解しておくことが、中小企業にとって非常に重要です。

  • 「支給」は課税リスクが高く、給与扱いとなる可能性あり。

  • 「貸与」は非課税で、会社資産として管理できる。

  • ただし、貸与台帳と返却ルールの整備が必須

  • 台帳整備は税務上の証拠となるだけでなく、セキュリティ・資産管理の基盤にもなる。

今後、テレワークが定着する中で、機器の扱い方を誤ると税務リスクや情報漏えいに直結します。
会社のルールを整備し、管理体制を強化することが最善のリスク回避策です。


多摩・八王子経理代行サービスでは、

・テレワーク機器の貸与規程や管理台帳テンプレートの作成支援

  • ・支給・貸与の税務判断
  • ・税務調査対応の事前対策

  • などもサポートしております。

「うちはこの運用で大丈夫?」と不安な場合は、ぜひお気軽に多摩・八王子経理代行サービスにご相談ください。
正しい仕組みを整えることで、安心してテレワークを継続できる環境を整備しましょう。

多摩・八王子経理代行サービスでは、経理代行サービスはもちろんのこと、給与計算、年末調整等の関連業務を含む給与計算業務に係るトータルサポートを承っております。貴社に訪問して経理業務を行うので、引き継ぎまで時間がなくても安心です。社会保険料、源泉徴収税の控除を含む給与計算から、給与明細の発行、給与振込までの各種代行業務や、クラウド会計・クラウド給与・勤怠ソフトの導入もご提案が可能です。クラウドシステムによって、場所を選ばず給与データの確認や入力が可能となり、リアルタイムでの情報共有も実現します。

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