こんにちは!多摩・八王子経理代行サービスです。
こんにちは。
「どれだけ役員報酬を設定すれば税金も社会保険料も適切か?」という疑問をお持ちの方は多いと思います。特に、会社としての法人税負担、役員個人としての所得税・住民税、さらには毎月発生する社会保険料(健康保険・厚生年金)をどうバランスさせるかは、実務的に非常に悩ましいテーマです。
この記事では、役員報酬の決め方の基本から、「社会保険料・税金をトータルで最適化する視点」「具体的な金額設定の考え方」「実務上の注意点」までを整理します。この記事を読むことで、会社と役員の両方の手元に残るキャッシュを最大化するための設計イメージがつかめるようになります。
中小企業の経営者・経理担当者の方で、「役員報酬をどうすればいいか迷っている」「会社の利益が出ているが、手取りが思ったほど増えない」という方は、ぜひ最後までお読みください。
なぜ「役員報酬の金額」が重要なのか?
まず、役員報酬(役員に対して会社が支払う給与・賞与)は、次のような要素に影響を与えます。
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-会社側:役員報酬は法人税法上、損金(経費)として扱われるかどうかの条件があります。損金算入できることで法人税が減ります。
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個人(役員)側:報酬を受け取ると、所得税・住民税・社会保険料(健康保険・厚生年金)などの負担が発生します。
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-裁量の範囲と制度的制約:役員報酬は「定期同額給与」「事前確定届出給与」などの要件を満たす必要があり、変更できるタイミング・方法に制限があります。
つまり、役員報酬を決めることは単なる「生活費をどれくらい支払うか」ではなく、会社の税金・個人の税金・社会保険料・キャッシュフローまで含めた「トータル最適化」の視点が必要です。
役員報酬を決める際に押さえておくべき3つの視点
法人税・所得税とのバランス
法人税率の階層
法人が利益を出した場合、法人税等の実効税率が利益規模によって変わります。例えば、利益がある一定水準(例えば800万円)までは低めの税率、その後は高めになるという構造があります。
したがって、役員報酬を増やして法人利益を減らす(=法人税を減らす)という方針を取るときは、法人税率が上がるラインを意識することが重要です。
個人側の累進課税と所得税・住民税
一方、役員個人がたくさん報酬を受け取ると、所得税・住民税が累進課税により高くなる可能性があります。また、報酬が増えると社会保険料も増加するため、手取りでどれだけ残るかをシミュレーションする必要があります。
バランスの考え方
したがって、「法人税を削るために報酬を多くする」のと、「個人の税・社会保険料負担を抑えるために報酬を少なくする」のどちらがトータルで得かを見極めることが肝です。実務では、「法人利益+役員報酬合計」の水準、「手取りに残したい報酬」「会社に残したい利益」のバランスを検討します。例えば、利益800万円付近というのは一つの分岐点として指摘されています。
社会保険料(健康保険・厚生年金)との関係
(h3) 標準報酬月額・報酬月額・賞与の関係
役員報酬(毎月の給与)および賞与が、社会保険料の負担額(標準報酬月額・賞与額)として反映されます。具体的には、標準報酬月額により健康保険料・厚生年金保険料の等級が決定され、報酬が高くなるほど保険料も増加します。
(h3) 社会保険料を抑える設計例
例えば、毎月の役員報酬を低めに設定して、年にまとめて賞与として支給することで、毎月の標準報酬月額を抑えつつ、賞与に対しての社会保険料がある上限に達していれば、結果的に社会保険料負担を抑えられた事例もあるようです。
ただし、こうした設計にはリスクもあります(後述します)。
(h3) 会社側の負担も考慮
役員報酬に対しては、会社(法人)も半分近くを社会保険料として負担しています。つまり、報酬を高くすれば会社負担分の社会保険料も上がり、会社の手元キャッシュを圧迫します。
資金繰り・実務上の手続きとの兼ね合い
会社に手元資金を残す設計
役員報酬を多く設定すれば法人利益が減少しますが、逆に会社に利益を残しすぎると法人税・法人住民税等が増加します。会社の成長・設備投資・運転資金を確保しつつ、適切に役員報酬を設計することが重要です。実務上、資金繰りを悪化させるほど報酬を引き上げるのは避けるべきです。
役員報酬の変更制限・タイミング
税法上、役員報酬の変更は「期首から3ヶ月以内」「定期同額給与・事前確定届出給与の要件を満たす」などの要件があります。途中で自由に変更できるわけではありません。
そのため、翌期の予算・利益見通し・資金計画を見て早めに検討しておくことが実務的には必要です。
(h3) 適正性・税務リスクのチェック
報酬が「不相当に高額」または「極端に低額」であると、税務調査で損金算入が否認されたり、社会保険加入の適用が問題となるケースがあります。制度設計の裏付けが必要です。
具体的な「役員報酬の設定」フローと数値イメージ
ここから、実務的に「どのように役員報酬を決めるか」をフローで整理し、数値例を用いてご紹介します。
役員報酬設定の手順
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会社の直近の利益見通しを把握する(例:経常利益+役員報酬込み)
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会社に残したい利益・役員の手取り希望額を洗い出す
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法人税・個人所得税・住民税・社会保険料のそれぞれを簡易シミュレーションする
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役員報酬(月額+賞与)を複数パターン検討する
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資金繰り・会社の成長投資・税務リスクを踏まえ、報酬額を決定する
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決定後、株主総会議事録や就任契約書等、適正な手続きを行う(税務・社会保険に対応)
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次期利益見通しや制度変更(法改正)を踏まえて、見直しのタイミングを決めておく
利益別・報酬パターン別の概略シミュレーション
(あくまで概算イメージです。実際は税率・社会保険料率・都道府県ごとに異なります。)
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会社利益:500万円
→ 役員報酬を少なめ(例 100万円/年)に設定すると、法人税が高めに出る可能性はあるが、役員個人の所得税・住民税がほぼゼロ、社会保険料も比較的少ない、結果的に手取り・会社残余金をバランス良く確保できるという事例あり。 -
会社利益:800万円
→ ここが分岐点としてよく取り上げられています。役員報酬を過度に高くしすぎると、社会保険料・個人税が急増する可能性。逆に少なすぎると法人税率の低い範囲を活かしきれない。 -
会社利益:1,200万円以上
→ 法人税率が高くなるため、ある程度役員報酬を引き上げて法人の利益を圧縮する設計のほうが「手元残高」が最大化されるという分析があります。
また、社会保険料観点で次の追加ポイントもあります。
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役員報酬を毎月少額にして、賞与(年1回・高額)で報酬を支払うことで、毎月の標準報酬月額を抑えて、社会保険料を圧縮するというスキームが過去に使われてきました。
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ただし、こうしたスキームは制度運用上・税務・社会保険の適用(不正防止)という観点からリスクが高まっており、厚生労働省でも見直し動向が出ています。
実務的に押さえておきたい「メリット・デメリット」
メリット:役員報酬を適切に設計することで得られること
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会社と役員の手元に残るキャッシュを増やせる:法人税・個人税・社会保険料を含めた総合負担を抑えることで、手取りを最大化できます。
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社会保険料負担をコントロールできる:例えば、役員報酬を一定水準以下に抑えることで標準報酬月額を抑え、保険料を削減できる可能性があります。
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利益が出ている年度に「報酬を引き上げて法人利益を圧縮する」ことで、法人税を削減しながら役員に還元できる。
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資金繰りを意識した設計で、会社が成長投資・内部留保を確保しつつ、役員報酬を過度に圧迫しないバランスを取れる。
デメリット・注意点:設計を誤ると生じるリスク
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役員報酬を高額に設定しすぎると、社会保険料が跳ね上がり、会社・個人双方の負担が増えてしまう。例えば、報酬が高くなれば厚生年金・健康保険の保険料額も大きくなります。
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逆に報酬を極端に低額にしてしまうと、税務・社会保険の観点から「不相当な報酬」「実質無報酬」とされ、損金算入が否認されたり、社会保険適用が問題になる恐れがあります。
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報酬を途中で勝手に変更できない:税法上、「定期同額給与」「事前確定届出給与」の要件を満たさないと、法人税で損金算入されない可能性があります。
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資金繰りを圧迫する可能性:報酬を多めに出しすぎると、会社に現金が残らず、運転資金・成長投資に支障が出ることがあります。
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制度変更・税務監査リスク:社会保険料圧縮スキームに対して、行政による見直しが進んでおり、過去有効だった手法が将来通用しなくなる可能性があります。
経営者・経理担当者として「実際にやるべきこと」
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現在の役員報酬・会社利益・社会保険料・税金負担を把握する(過去3年程度)
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会社としてどれだけ利益を残したいか(内部留保・設備投資・借入返済など)を明確化する
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役員個人として「年間手取りでこれだけ欲しい」という目標額を設定する
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上記をもとに、月額報酬+賞与パターンを複数作成し、法人税+個人税+社会保険料+会社負担社会保険料を合算した「総負担額比較」を行う(税理士・社会保険労務士と協業すると良い)
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報酬額を設定したら、株主総会・就任契約書・取締役会議事録など制度面の手続きを漏れなく行う
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定期的に(例えば年度末・利益見通しが変わったとき)見直しを検討する。特に利益が予想以上/以下となった場合には報酬水準が適さなくなる可能性があります。
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社会保険料の圧縮スキーム(毎月少額・賞与で大きく)を検討する場合は、リスク・制度改正動向をよく理解したうえで慎重に実行する。行政の指摘対象になっているため、安易な設計は避けるべきです。
よくあるQ&A
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Q:役員報酬をとにかく低く設定すれば、社会保険料も税金も少なくなりますか?
A:報酬を低くすれば社会保険料・所得税は少なくなりますが、会社の利益が残りすぎて法人税が高くなる可能性があります。また、極端に低く設定すると税務リスクがあります。バランスが大事です。 -
Q:毎月の報酬を少なめにして、ボーナスで大きくもらう方が社会保険料を抑えられるのですか?
A:そのようなスキームが過去に有効だった事例がありますが、行政が見直しを進めており、今後リスクが高まっています。慎重に制度・実務を確認する必要があります。 -
Q:利益が出ていない時期でも役員報酬を高めに設定すべきですか?
A:利益が出ていない時期に報酬を高めにすると会社のキャッシュが圧迫されるため、資金繰りや将来の投資を考慮して慎重に判断すべきです。 -
Q:報酬を決めた後に途中変更できますか?
A:税法上、原則として事業年度開始後3か月以内に月額を決定し、期中変更できる場合は「定期同額給与」の要件が満たされているかがポイントです。変更可能ですが条件・手続きがあります。
まとめ
役員報酬の設計は、会社にとっても役員個人にとっても「税金・社会保険料・キャッシュフロー」をトータルで考える重要なポイントです。
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法人税・所得税・住民税・社会保険料という4つの大きな負担を意識すること。
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特に社会保険料は標準報酬月額/賞与額によって大きく変わるため、報酬構成(月給+賞与)まで含めて設計すること。
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資金繰り・会社に残す利益・手取り確保という3つの視点をきちんと整理すること。
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設定後の制度面(株主総会、契約書、議事録、手続き)を漏れなく実行すること、そして定期的に見直すこと。
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過度に「社会保険料を抑えるスキーム」に傾倒せず、制度リスクも理解したうえで慎重に検討すること。
役員報酬の「最適水準」を探ることで、手元キャッシュの改善・税金・社会保険料の負担軽減というメリットが大きく期待できます。まずは直近の利益見通し・キャッシュ状況を確認した上で、複数の報酬パターンをシミュレーションすることをおすすめします。
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